危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「冗談だっつの。お前からかうのは楽しいな」
「―――なっ!」
西園寺くんの言葉に、私は開いた口が塞がらない。
「ほら、怒らねーから言ってみろよ」
珍しく優しい笑顔を浮かべた彼に、私は戸惑いながらも思っていた事を口にした。
「……はぁぁ」
話を聞いた後、西園寺くんは呆れた顔で長いため息をついた。
「一体何を言うのかと思えば、そんな事かよ」
「ごめん、なさい」
私はしょんぼりとうなだれてしまう。
「―――罰だな」
「えっ?」
私の背にはいつの間にか本棚があった。
西園寺くんの片手が私の後ろにある本棚にかかる。
無表情な西園寺くんの顔が近付いて、私は思わず息を止めた。