危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
西園寺くんの答えに、嘉川くんも相づちを打つ。
「オレ達としてはケンカ売られなきゃ買わない主義だしね」
「しかし、何か企んでんじゃねーのか?」
西園寺くんの疑惑の目線にも、羽村さんは肩をすくめる。
「ケンカすんのが面倒になったんだよ。寒いしな」
「おっさんかよ」
「お前よりは2つ上なんだよ、これでも」
『年上は敬え』と羽村さんが主張する。
西園寺くんは鼻で笑ってみせた。
「……そう言えば、」
話が一段落ついた頃、ぬるくなったコーヒーを口にしながら羽村さんが言った。
「お前ら雰囲気変わったけどあの後何かあっただろ」
彼の目線は、西園寺くんと私に向けられている。
「―――えっ!」
私は思わず驚いて声を上げたけど、西園寺くんは涼しい顔だ。