危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「だとしても関係ないだろ」
「俺はともかく、ウチには一人関係のあるヤツがいるからな」
羽村さんが隣に目線をやると同時に、それまでムスッとしていた陽二さんが激しくむせた。
「ゴホッ!羽村さ、何、言っ……うぐっ」
「だーから、あの時早く言えって言ってやったのに」
わざとらしく呆れたため息をつく羽村さんと、ひたすら咳き込む陽二さん。
だ、大丈夫かな……。
私は慌てて席を立つと、お水を取ってきて陽二さんに手渡した。
「ありがとな、遥……」
「バーカ」
小さく呟いた西園寺くんを、陽二さんはギッとにらみつけた。
「西園寺……オモテ出るか?」
「年寄りは寒いんじゃねーのか?」
「1年くらいで年寄り扱いすんな!」
2人が火花を散らすのを、羽村さんは知らない顔だし嘉川くんは笑って見ている。