危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「あ、あの……」
私が思わず声をかけると、2人の目が同時に私をとらえた。
「寺島、お前は黙ってろ」
「遥、わりぃけどコイツとはつけなきゃならない決着がある」
「―――え?え?」
2人からそう言われて、私はただオロオロとしか出来ない。
「俺にはつける決着なんてねーよ」
「テメェの都合はどうでもいいんだよ!」
一触即発の空気に、他の人達もこちらを気にしはじめている。
羽村さんも嘉川くんも頼りにならないみたいだし……。
今にも殴りかかりそうな2人を前に、私は決意した。
「止めて下さいっ!」
思いきり叫んでみた後、2人を見るとポカンと私の方を向いていた。
「遥……声、デカいんだな」
「コイツ、演劇部だからな……」
「ああ、……そう」