危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
見ると、2人どころか皆がこちらを見ているようだ。
その場があまりにもシーンとなってしまい、私は周りの人に謝ると自分の席で小さくなった。
「じゃあそろそろ出るが……、停戦協定の件は宜しく頼むな」
コーヒーを飲み終わったらしい羽村さんが、空気を変えるようにそう言った。
「あー、まぁ……分かった」
西園寺くんも、話の流れで頷く。
陽二さんがトレーを返しに席を立ったので、私も西園寺くん達のカップを持って返却台に向かった。
「なぁ」
カップをゴミ箱に捨てながら陽二さんが話しかける。
「遥は、アイツのどこがいいんだ?」
アイツって西園寺くんの事だよね?
「どこって……」
私は思わず考え込む。