危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
そう言ってから数日経っての今日、家の前に立っていると西園寺くんが姿を現した。
「よう、寺島」
「西園寺くん、おはよう」
挨拶の後、西園寺くんは私の服装を眺めてから満足そうに口の端を上げた。
「行くか」
手を差し出されて、そっとその手を取る。
手をつなぐのも、何だかまだなれないなぁ。
2人で道をしばらく歩きながら私は違和感を感じていた。
最初に家まで送ってくれた時、西園寺くんは確かお家が近いって言ってたよね?
だから、すぐ着くものだと思ってたんだけど。
15分くらいは歩いてる。
街から離れるだけ、辺りはだんだんと大きなお家が増えてきた。
長く続く塀にそって歩いていると、大きな門とその向こうに広い庭が見える。
すごいお家だなぁ……と思っていると、西園寺くんが立ち止まった。