危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「とりあえずココ、座ってろ」
西園寺くんがソファを示す。
「あ、あの、その前に西園寺くんのお父さんやお母さんは……?」
「ん?親父は今日は接待で、お袋も朝から休日出勤したみてーだけど」
「そうなんだ……。じゃあこれ、西園寺くんに渡しておくね」
私は手に持っていた紙袋を手渡した。
「ああ、手土産持ってたのか。サンキュ、ユキさんに渡しとく」
「お願いします……」
西園寺くんが居間を出て行き、取り残された私はとりあえずソファに座ってみた。
私は居間をぐるっと見回す。
綺麗なシャンデリア、フカフカの絨毯やソファ。豪華なカーテンや細かい細工の戸棚、大きなテレビ。
外国みたい……。
こうしていると、自分がいったいどこにいるのか分からなくなる気がした。