危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
「夏乃子呼んでおいた。すぐ来るってさ」
ふいに西園寺くんが戻ってきて、私は思わずホッと息をついた。
彼はそのまま、私の隣に座って顔を覗き込んでくる。
「寺島、何か顔がビビッてる」
「えっ!」
私は思わず自分の顔に手をやった。
そんなに変な顔してるのかな?
「ウチがこんなで、驚いたのか?」
「あ、うん。そうかも」
「寺島のウチは普通っぽいもんな。けど、広いだけで内容はあんまり変わんねーんだぜ?」
西園寺くんはそう言うけど、だいぶ違うと思うなぁ……。
「つーか、寺島んちも見てみてーな」
「あ……じゃあ、今度は家に来る?」
私が小さな声でそう言うと、西園寺くんは嬉しそうに笑った。
「おー、行く行く。絶対行く」