危険なスキ ~不良くんのお気に入り~


「あのね、玲ちゃんてばたまに私の部屋くるとコレばっかり撫でてるの」

「えっ?」

声をひそめてそう言ったカノコさんはいたずらっ子の様な笑みを浮かべている。

そういう表情は西園寺くんとよく似てるなぁ。



それにしても、ぬいぐるみと西園寺くんとか……似合わないなんて言っちゃダメだよね?

「玲ちゃん、ホント寺島さんが好きなんだねー。だから夏乃子、寺島さんに会いたいなって思ったの」

そ、そうなんだ……。

何か嬉しい様な、恥ずかしい様な。

「ねーねー、寺島さんって玲ちゃんとどういう感じで仲良くなったの?」

「え!えっと……」

仲良くって?

思えば最初は『怖い』と思っていたから、どこから説明すればいいのか……。

私が考え込んでいると、目の前のカノコさんは不思議そうな顔をして待っている。



とりあえず私は、最初に西園寺くんに関わった時の事を話してみた。



 
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