危険なスキ ~不良くんのお気に入り~


「―――へぇー。寺島さんの方から告白したんだぁ!意外!」

「そ、そう?」

「うん。玲ちゃんったらヤンキーだし、怖がってた寺島さんが告白なんてビックリ!」

話を聞いたカノコさんは目を大きく見開いてそう言った。

実を言うと、カノコさんを西園寺くんの彼女と間違えた話はしていない。

だってそんな事本人には言えないよ。



「ね、ね!それで?続き聞きたい!」

カノコさんに続きをうながされて、私は話が長くならない程度に今日までの事を話した。





 カノコさんと話終えた後、西園寺くんの所に行くように言われて私は居間に戻った。

「……西園寺くん?」

声をかけると、テレビを見ていた彼が私に気付く。

「寺島、夏乃子は?」

「部屋にいるって。西園寺くんが待ってるだろうから行ってきてって……」

何だか恥ずかしくなって語尾が小さくなる。



 
< 237 / 251 >

この作品をシェア

pagetop