危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
注文した商品が渡されてやっと手を離してもらえると思ったら、西園寺くんは片手で支払いからトレー持ちまで全てしてしまった。
そしてそのまま席についた所で、やっと離してもらえてホッとする。
「さすがにもう、逃げないよな?」
大人しく席に座った私を見て、西園寺くんはニヤリと笑った。
「だって、まだ私の分のお金渡してないし……」
「そんなん、いらねぇよ」
「ダメだよ!受け取ってくれないと食べれない」
「堅いなホント。まぁ、いいけど」
呆れた様に笑う西園寺くんは、それでも機嫌が良さそうだった。