危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
同時にガチャッとドアが開いて、金髪の男子が顔を出す。
「おい!来たぞ!」
「分かった」
私の隣に座っていた彼は素早く立ち上がると、金髪の彼の後を追おうとしと振り返る。
「あんた、自分の身が心配ならここから出るんじゃねぇぞ」
「―――えっ?」
「西園寺さえボコれりゃ、あんたは無事に解放される」
「―――ええっ!」
西園寺くんを、ボコる?殴るって事?
その事に私が動揺している間に、ドアが閉まってまた誰もいなくなってしまった。
私はドキドキと早くなる心臓の鼓動に、めまいが起こりそうになっていた。
「西園寺くんが―――」