危険なスキ ~不良くんのお気に入り~


その中央に人が何人か集まり、さらに壁際には他校の子達が歓声をあげている。

私の目は、中央の彼らの更に中心でうずくまる人物に目を奪われた。




西園寺くん……!

彼は、ただ黙ってそこにいた。


立てば殴られ座れば蹴られ、苦しそうに顔を歪めれば笑われている。

何なの、これ……。


私は、全身がザワッと鳥肌になるのを感じた。

ヒドい。ヒドいよ!


その光景に強い怒りを覚えた私は、次の瞬間思わず叫んでいた。



「―――やめて!」



 
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