危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
その気持ちは弱味


 その日は日曜日で、学校はお休み。

私は、西園寺くんのお迎えがない事をちょっと寂しく思ってしまって、自分自身に驚きを感じる。



「ちょっと、買い物行ってくるね!」

私はお母さんにそう声を掛ける。

「気をつけてね!」

「はーい」

歩くのに楽な靴を履いて家を出る。

行き先は、お店がたくさん集まる駅前。

可愛いノートや新しいシャーペンを見たくて、文房具屋へ入った。



「今度は何にしよう」

可愛いノートを集めるのが趣味なので、時々新しい物が入荷されていないか探すのが楽しかったりする。

「あ、これ可愛いな」

夢中になって見ていると、裏の手帳コーナーから声が聞こえてきた。



 
< 63 / 251 >

この作品をシェア

pagetop