危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
お気に入りのヤツ(side:玲)


 俺が寺島を最初に認識したのは、4月のあの日だ。



入学式をサボって屋上で寝ていた俺は、センコーに見つかって式の後のホームルームに行くよう言われた。

あんまりうるせーから、仕方なく教室に顔を出したらちょうど自己紹介の真っ只中だったワケだ。


「じゃあ次、寺島さん」

担任の女がそう言って寺島が立ち上がった時と、俺が教室に入ったのはほぼ同時。

当然、俺は全員から見られた。

「西園寺くん!やっと来たのね……。早く席に着きなさい!」

「俺の席、ドコだよ」

「空いてる席がそうです。アナタだけよ!座っていないのは」

「玲!早く座れよー」

「……うるせーよ、真司」



 
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