危険なスキ ~不良くんのお気に入り~
けれど、その第一声を聞いて驚いた。
それはあの自己紹介ん時とは比べもんにならないくらいはっきり聞こえて、顔は真っ直ぐ正面を見据えていた。
『私なら、その人を絶対許しません!』
その強気の目は真剣そのもので、俺の中の最初の印象をガラリと変えた。
「でけー声、出るんじゃねーか」
俺は、そのまま練習を続ける寺島を見ていた。
そして、文化祭も終わっての11月。
俺が廊下で俺達の悪口を言っていた女共に絡んでいた時、それを遮ったのが寺島だった。