キミの隣で想うコト
知哉の部屋に戻り、皆で準備をしていると、ようやく千明がやって来た。


「ごめんね~遅くなって。」
息を切らして…相当急いだんだなぁ。


「千明、やほ♪」

「あ~杏奈ごめんね。」

「大丈夫だよん。」

「皆も買い出しありがとう。」


「それじゃ、やりますか!」

早速タコ焼きを作って食べる!ん~美味い。


「いやぁ~美味しいね!」

「この形っ!俺タコ焼き作るのうますぎじゃねぇ?」得意げに知哉がそう言う。

「わっ本当だ。じゃあそれ千明に~。」

私は知哉が作ったタコ焼きを勝手に取り、千明の皿に移した。

「あっおい!」
知哉の慌てる姿を見て、皆で笑った。

「にしても、杏、どんだけタコ焼き作るの下手なんだよ。」

「だってこれ難しいしょ。」思わずぶぅ~と文句を言う。

「杏も上手に出来たやつ食べたい~!知哉プリーズ!」

「だーめ。お前にはあげな~い。」

「あ~差別だぁ!」

さらに不満の顔を浮かべていると、横から
「はい。」とタコ焼きを皿に入れてくれた。

「駿、いいの?」

「そんな喜ぶんだ。」

「当たり前でしょ~。駿作ったの、知哉より美味しそう!」

「たかがタコ焼きだよ?しかも味変わらないよ。」

「そんなことないの。やっぱり作る人によって変わるんだよ~?」

「ふ~ん。」

駿がくれたやつを食べる。
「やっぱり美味しいっ!」

「杏奈、また最高に幸せそうな顔ー。」
そう言って、千明が笑う。

「うっさいってば~。」


そんなやり取りを見てか、駿も横で笑っていた。

私が初めて見た、駿の笑顔。

可愛い笑い顔じゃん。
< 27 / 102 >

この作品をシェア

pagetop