キミの隣で想うコト
「帰るか。」

英成はいつもの様子に戻って、車を発進させた。

私のアパートまで、ひどく長く感じた。

英成と会話はしてたけど、顔は見なかった。

さっきのことで、私の酔いは一気にさめていた。



「杏奈、着いたよ。」

「あっうん。」
その声で我に返った。

気付いたらもうアパートの前だった。


「送ってくれてありがと。じゃあ…。」

「杏奈の家寄ろうかな。」

「えっ?」
私は慌てた。

「そんな顔すんなよなぁ~冗談冗談。」

「そか…。」


「じゃあ、またな。」

「うん。じゃあね。」

英成が帰っていった…。



多分英成のは半分は冗談じゃなかったと思う。

でも、私は英成を受け入れるなんて出来ない。


夜景には癒されても、英成に触れられることでは癒されない。



私は誰かといる時間で、寂しさを埋めたかっただけだ。




痛いほど、それが分かった。
自分に呆れた。



私は何をやってんだろう。
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