キミの隣で想うコト

数回コールしたあと、電話に出た。


｢…はい。｣

｢駿？｣

｢えと…杏奈？｣

｢うん…。｣

｢まじか。すげぇびっくりした。｣


勢いで電話したものの、確かになんて急なことしちゃったんだろう。
きっと困らせたに違いない。

私バカ。気付くの遅すぎ。


｢ごめん急に。ごめんね…えと…なんか気付いたらかけちゃったというか…あの…本当ごめん。｣

私は焦ってしまう。


｢落ち着けって。大丈夫だから。｣

｢うん…。駿、今大丈夫？｣

｢今はかなり暇だから大丈夫だけど。｣


｢あっ！｣

｢今度はどした？｣

｢今何時…？｣

｢ん～１時ぐらい。｣


私としたことが…なんて非常識な。

｢ごめんなさい。本当、こんな時間に急に。｣

私は必死に謝るしかなかった。

｢いや本当大丈夫だよ？バイトから帰って来たばっかで、まだ寝るつもりなかったし。｣

｢…本当？｣
おそるおそる聞く。

｢本当だって。確かにびっくりしたけどね。｣


駿はそう言って笑ってて、私はその優しさにやっと落ち着きを取り戻した。