キミの隣で想うコト
素直にそう思って言った言葉だったが、隼人にはストレートすぎたらしい。

急に顔が赤くなっている…。

「杏奈、からかってる?」

「そんなわけないでしょ。ごめん、悪いけど、杏は思ったらすぐ言っちゃうんだよねー。」

「そうなんだ。」

「うん、そうなの。」


ストレートに言ってしまうことがダメなところだと、今までは思ってた。
だけど。
駿がそれでもいいんじゃない?って言ったことが、私には大きくて。
あの時、嬉しかったんだ。


「あっやばっ、そろそろ帰らないとだ。」
急いでないとは言ったけど、ゆっくりはしていられない。

「ごめん、話しちゃって。」

「ううん、全然。」

「そかよかった。」

「うん。」

「なんか久々に話せて……嬉しかったわ。」


小さくそう言った隼人の言葉に、私は何の疑問も持たないで、流してしまった。

「うん、私も。隼人に久々会えて嬉しかったー。じゃあ、またね。」

「あぁ、また。」


そして、隼人は部室へ。
私は正門へと向かった。
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