あなたに届きますように…。上
そんなある日、私はいつものように自転車で

薄暗くなった空を眺めながら

ゆっくりと自転車を漕いでいた。

目の前の信号機は青で少し急げば間に合う。

でも私は急ぐのさえめんどくさくて

気にせずゆっくり進んでいた。

信号が赤に変わる。この信号は変わるのが遅い

赤く光っている信号を見つめながら

青になるのを待っていた。

“あの時少し急げばよかったな”と心の中で

思いながら舌打ちをしてまた空を見上げた。

西の空はオレンジ色に輝いていた。

そんな空を見ながら浜崎あゆみのJuly 1stを

思い浮かべていた。

もう少しで口ずさみそうだった時、背後から

私に話しかけて来た人がいた。それが卓だった

「吉武さんですよね」

初めて声をかけられたとき正直誰かわからなかった

同じ小学校で6年時は団長だったらしい

私は敵チームだけど応援団だったのに知らなかった。

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