あなたに届きますように…。上
少し気まずい空気を破るようにチャイムが鳴る
私は教室に帰ろうとして廊下に出た
廊下に出た私に卓がもう一度言う
「付き合ってよ」
私はなにも言えなかった。
卓はうざくて、しつこいから嫌い
そう思ってるはずなのに
熱くなる頬と少し早くてうるさい心臓に
自分が嫌になりそうだった。
私は自分に言い聞かせた。
“もう本気の恋はしないって決めた”
“信じたらダメ、傷付くのは女なんだから”
その後の私はどこか上の空だった。