あなたに届きますように…。上
のんとしーちゃんに置いていかれた私は

照れた顔を、これ以上卓に見られたくなくて

「また明日ね」と言って走った。

冬の夜の風は冷たくて熱を帯びた頬から熱が引いていく。

二人までの距離がとても長く感じた。

のんとしーちゃんにからかわれながら

はしゃいで家路についた。

次の日も何時もとかわらない1日だった

ただ、あたしに向けられる視線が少し痛かった

あまり気にはしなかったけど、その原因は昨日の事だった

部活の時間にテニス部の同級生の声が聞こえた

「昨日の夜誰かが卓と路チューしよったんてー」

私は耳を疑った。“なんで?知ってるの”

明らかに動揺していた。そこにさっきの同級生がきて

「お前、卓が誰とおったか知らん?」

って笑いながら聞かれた。きっとわかってたんだと思う

私はなにも知らないフリをした。結局、噂はすぐに消えた。

ただ誰が見ていたのかわからないまま…
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