スピン☆オフ
「なんなの?」
思わず独り言をつぶやいた。
この街のあらゆる店から入店拒否されるなんて…。
まさか、お兄ちゃん?!
あの人なら、いろんな力やお金を使ってやりかねない。
どこの店にも入店拒否されれば、あたしが諦めて帰ってくるだろうと思ったんだろう。
そう考えると腹が立ってきた。
こんな事で負けてたまるものか!!
遊ぶ場所は、この街だけじゃないんだから。
電車に乗り込んで2個先の駅で降りた。
その街でも、どの店も入店拒否。
やっぱり、お兄ちゃんが何かしてるとしか考えられない。
ここまでやるなんて…。
あたしは、これからどうしたらいいのか?
遊ぶ場所も買い物も、食べる事すら出来ないなんて。
もしかしたら、ホテルも追い出されるかもしれない。
そう考えたら、急に目の前が真っ暗になった。
そうだ!!
尚吾って人なら、なんとかしてくれるかな?
ピンと閃いた。
ちょっと変わってるけど、友達関係広そうだし。
本当だったら頼りたくない人間。
だけど、ここでお兄ちゃんに負けたくなかった。
この際、利用出来るものは利用するしかないでしょ?!
急いで電車に飛び乗ると、元の街に戻ってきた。