スピン☆オフ
思いつくのはゲーセン。


だけど入店拒否されてる。


一生懸命思考回路を働かせ、ゲーセン以外に尚吾の行きそうな場所を考えてみた。


街の中を走り回り尚吾を探した。


入店拒否されてるから、外からしか店の中を確認できないけど。


いつもならヒョッコリと、あたしの行く先々でいるはず。


だけど、こういう時に限っていないなんて…。


どんなに探し回っても尚吾どころか、尚吾の友達のイケメンも見当たらない。


4時間走り回って、足が動かなくなって…。


肺が肋骨に張り付いたかのように痛くて。


心臓が膨張したかのような鼓動と脈の速さ。


尚吾が見つからない苛立ち。


これからの閉ざされた自分の居場所。


お兄ちゃんの狙い通りになってく。


無力な自分が悔しかった。


もしかしたら尚吾が見つからないのも、お兄ちゃんが何かしたのかもしれない。

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