スピン☆オフ
別にかばう必要もないんだけど、なんか放っておけなかった。
相変わらず、顔はやる気はないけど…。
それに、あたしが数日前に襲われた事を被害届出したと勘違いされても嫌だし。
「誰だね。キミは。」
ビックリした顔で私服警官が言った。
「その女、よく調べないと大変な事になるよ。誤認逮捕。」
「被害届けが出ている以上、逮捕しないわけにはいかないんだ。」
そうは言うけど、なんだか弱々しい口調。
誤認逮捕って言葉と、妊娠してたのが事実だから?
「あたしの家って病院なんだけど、たまにそういう患者いるんだよね。その被害者って中学生でしょ?」
「…。」
警察が何も言えなくなってる。
もしかして当たっちゃった?
よく病院のナース達が言ってたのをハッタリで言ってみたんだけど…。
「とりあえず、DNA鑑定した方がいいよ。」
ニッコリ笑って言った。
「…うん…まぁ。じゃあ、毛髪だけ貰って今日は帰るが、本当は有り得ん事だからな!!」
そう言って、イケメン君の毛髪だけ持って帰って行った。
その瞬間、ふわっと温かく優しい腕に包まれた。
「ありがとう。」
耳元でイケメン君が囁いた。
「べ…別に…。」
顔は真っ赤だったかもしれない。
だって異常に顔だけ熱いんだもん。