スピン☆オフ
「紗羽か。どうした?」
いつもと変わらず、優しく微笑むお兄ちゃん。
「…うん。」
上手く言葉が出ない。
「どうした?何かあったのか?」
「あ…あのね…。相談あって…。」
「好きな人でも出来たか?」
鋭い指摘にドキッとした。
「うん…。だから、あたしの部屋に来て欲しいんだけど…。」
「いいよ。すぐに行くから部屋で待ってろ。」
「わかった。」
ドアを閉めた瞬間、足が震えてるのに気付いた。
最初は手だけ震えてたのに、いつの間にか震えが全身に広がってる。
壁にもたれないと、うまく歩けない。
部屋に入った途端、腰が抜けちゃった。
ドアの前に座り込み完全に立てない。
這(は)うようになんとかベッドまで移動。
呼び出すだけで腰が抜けるなんて…。
コクったら緊張死しちゃうよ!!
……相当、弱気だ。