スピン☆オフ

「紗羽か。どうした?」


いつもと変わらず、優しく微笑むお兄ちゃん。


「…うん。」


上手く言葉が出ない。


「どうした?何かあったのか?」


「あ…あのね…。相談あって…。」


「好きな人でも出来たか?」


鋭い指摘にドキッとした。


「うん…。だから、あたしの部屋に来て欲しいんだけど…。」


「いいよ。すぐに行くから部屋で待ってろ。」


「わかった。」


ドアを閉めた瞬間、足が震えてるのに気付いた。


最初は手だけ震えてたのに、いつの間にか震えが全身に広がってる。


壁にもたれないと、うまく歩けない。


部屋に入った途端、腰が抜けちゃった。


ドアの前に座り込み完全に立てない。


這(は)うようになんとかベッドまで移動。


呼び出すだけで腰が抜けるなんて…。


コクったら緊張死しちゃうよ!!


……相当、弱気だ。


< 14 / 298 >

この作品をシェア

pagetop