スピン☆オフ
「何これ?」


「ちょっと、時間かかっちゃったけど…。」


中身は報告書のような物が入っている。


「…え?!なんか頼んだ?」


「いいから。」


ニッコリ笑う秀。


恐る恐る中身を開けて見ると、この間の秀が捕まりそうになった時の事が書いてある。


「これって…。」


「あれからどうなったか心配でさ、イロイロ調べたら紗羽ちゃんの言ったままだった。」


「やっぱり…。」


その報告書には、被害届を出した女の子の写真から、相手の男までみっちり調べられてる。


「ありがとう。あの時、紗羽ちゃんがいなかったらマジやばかった。」


「別に…。」


「何でも言ってよ。オレ達に出来ない事はないからさ。」


「う~ん。」


たしかに興信所並みに調べられてるし…。


尚吾がメールひとつで大変な事にもなったし。


「いつでもいいからさ。」


頭を軽くなでると秀はいつものゲーセンで、女の子と待ち合わせに行ってしまった。


---霧生が本当に死んでしまったのか確かめたい。


だけど、今のあたしに一番必要な物は…。


「あたしも帰るね。」


そう言って立ち上がった瞬間、毛布の中からニョキッと手が出てきた。

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