スピン☆オフ

ビックリして、硬直するあたしの腕を思いっきり毛布の中に引きずり込んだ。


「ちょっ!!尚吾!!!!」


大声を上げるが、ぎゅっと抱きしめる腕。


「…帰りたい?」


耳元で囁いた。


その瞬間


ドクンッ!!!


心臓が脈を打つ。


あたしの中の何かが蘇ってくるのが分かる。


声も出ない…。


体も動かない…。


尚吾が優しくキスをしてくる。


体の奥から


『カチャッ。』


っという音と共に、あたしの中の何かが開いていく。


尚吾のキスが激しくなると同時に、服の中に入ってくる手の感覚。


「…っあ。」


くすぐったいような感覚に、思わず声が出てしまう。


激しく貪り合うかのように唇を重ね合わせた。


お兄ちゃんのときとは全然違う感触。


お兄ちゃん…。


その言葉が頭の中をよぎった時、激しい恐怖感が襲ってきた。



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