スピン☆オフ
タクシーに乗り込んで運転手さんに秀から貰った住所を見せた。


タクシーで10分も走ると、ビルはひとつもなく、公園や図書館や住宅街に入った。


「この近くだね。」


運転手さんがハザードを出して車を止め、指で住宅街の中を差した。


「ありがとうございました。」


お金を払うと、電柱や表札の住所を見ながら、霧生の家を探した。


歩き始めて15分。


一戸建の住宅街を抜けると、大きなピンク色のマンションが目に飛び込んだ。


「ここだ!!」


入り口の自動ドアを入ると、エントランスがあって、大きなソファとテーブルが置いてある。


オートロックで、ここから先には入れない。


部屋の番号を押すと、


ピンポーン…


チャイムが鳴った。


「…。」


反応がない。


ピンポ~ン…


もう一度、チャイムを鳴らすが反応がない。


「仕事かな?」


エントランスの中を、ウロウロと歩き回った。


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