スピン☆オフ
「あたしだけ?」


「中学生だろ?オレは、成人しちゃってるから。」


見下すような言い方。


「なにそれ?!じゃあ、ファミレスじゃなくて、場所も成長してよ。」


腕を組んでプックリとホッペを膨らます。


「いいけど…。ここのチーズハンバーグ美味しいんだよなぁ~。」


チラッと流し目であたしを見た。


「チーズハンバーグ!?」


元気良く答える。


目はキラキラとメニューを見てる。


霧生は笑いを堪えながら、ジッとあたしを見ていた。


本当に、ここのチーズハンバーグは美味しくて。


ジューシーなフワフワのハンバーグに、トロ~リチーズが2枚も乗ってて。


顔がほころんでしまう。


霧生は、そんなあたしを微笑みながら見ていてくれた。


話す事なんか忘れて、チーズハンバーグに夢中になった。


「なぁ、どうしてオレの居場所が分った?」


不意に霧生が質問してきた。


ピタリとあたしの動きが止まる。


チョット考えると、これまでのいきさつを話した。

< 176 / 298 >

この作品をシェア

pagetop