スピン☆オフ
「ゴミはゴミ箱。カウンターの裏にあるから。」


霧生は振り返って言った。


悔しさを缶にぶつけるかのように、思いっきり缶をグシャリと潰して



ガコン!!!



っと勢い良くゴミ箱に投げ入れた。


そのまま電気を消して、霧生のベッドに潜り込んだ。


シングルベッドだから、狭くてピタッと、霧生の背中にくっつく。


霧生は振り返ると、何も言わずに抱きしめてくれた。


「…いくら亡くなったとはいえ、なんか冬槻先生に悪い気がする。」


「じゃあ、もし、オレがチワワを好きだったらどうする?」


「…えっ?!」


ビックリして固まってしまった。


それなのに、霧生は無表情でジッとあたしの顔を見ている。


「好きだったの?…オレのこと。」


やっと口を開いた言葉。


「そっ…そんなんじゃないよ!!!」


慌ててベットから飛び起きた。


確かに霧生の事は心配だったけど…。


好きとかそんな感情じゃなくて。


だけど、いつも考えちゃう。


変なこと言うから、頭の中がグチャグチャで、顔が真っ赤になって。


何て説明したらいいのか分からない。


グイッ!!


あたしの頭を持って自分に向けた。


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