スピン☆オフ
「まったく、女の子にこんな格好で、真冬に外を歩かせるなんて!!」


呆れた顔をしながら、慌てて隣の部屋からパーカーを出して渡してくれた。


「あ…ありがとう。」


小さくお礼を言うと、ペコリと頭を下げた。


この人は、誰なんだろう?


尚吾の知り合いみたいだけど…。


---あたしの不安そうな顔。


「初めまして。私は、秀一の姉の芭月〔はづき〕です。」


にっこり笑った。


「えっ!秀のお姉さん?!」


びっくりして口が開いたまま。


だって、お姉さんにしては年上すぎるし。


見た目は、25歳くらい。


スラッとした、キレイな感じの人。


秀とも、全然似てないし。


「本当に、秀のお姉さんなんですか?」


「そうなの。私達の両親は、できちゃった結婚でね。母が17歳の時の子供が私。秀一は、年をとってできた子だから12歳違いなんだ。」


「えっ?!12歳違いって……29歳なんですか?!全然見えない!!!!!」


驚いて、大声を出してしまった。


「ありがとう。」


微笑みながら、首を傾けた。
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