スピン☆オフ
「でも、尚吾とはどういう関係なんですか?」


よそよそしい尚吾の態度に不思議に思って。


「秀一と尚吾君は幼稚園の時からの親友なのよ。小さい時からモテてたの。」


「…その時から、女遊びしてたんだ。」


ボソッと一言。


「う~ん…。微妙な感じ。だって、あの時好きだった奈々乃ちゃんだっけ?振られるまでは、帰る時も大泣きで。振られた瞬間に、言い寄ってきた女の子を片っ端からチュウしてたわね。」


懐かしみながら、茶化すように笑った。


片っ端って…。


やっぱり、昔から遊び人だったんだ。


「あぁ…。」


言葉に詰まって、尚吾を睨んだ。


「変なこと言うなよ!!」


尚吾がふてくされた。


「フフフ…ごめんなさい。もう遅いし、今日は泊まっていくでしょ?」


笑いをこらえながら、リビングを出て行ってしまった。


あたしは、尚吾と何を話していいか分からなくて。


尚吾も、なんだか様子がおかしいし。


元気がないって言うか?


沈んだ感じで。



もしかして、やっぱりあたしの事を軽蔑してる?



数分もしない内に、お姉さんは戻ってきた。


「尚吾君は、奥の部屋ね。えっと…。」


「唯です。」


慌てて出た名前。


「唯ちゃんね。唯ちゃんは、手前の尚吾君の隣の部屋ね。」


「ありがとうございます。」


小さくお辞儀をすると、ソファから立ち上がって部屋に入った。


お姉さんが、リビング横の部屋に入ると、尚吾もそそくさと部屋に入っていった。

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