スピン☆オフ
----全部で3億円。


それに利息が付いてくるから、利息だけで元金を払う事なんてできなかった。


私も疲れ果ててしまっていたのね。


2年以上、寝る間もなく風俗で働いていたから。


ある日、尚吾君が言ってくれたのよ。


「オレが何とかするから、悲しまないで欲しい。」


だけど、中学生に何ができる?


「中学生が、なに言ってるのよ。」


私は鼻で笑った。


「オレは、何にもできないけど、そばに居る事はできる。」


しっかりした口調で、まっすぐに私を見ながら。


「そばに居られても、借金はなくならないし、私は安らぐ事も恋をする事も出来ないのよ!!!!」


怒鳴った私に、尚吾君はひるむ事もなかった。


「オレの初恋だから。姉ちゃんは、オレにとって大事な人だから。」


真剣な尚吾君の言葉が、本当に嬉しかった。


私も、相当疲れていたのよ。


そうじゃなかったら、あんな間違いは起こさなかったのに。



----私は、尚吾君の言葉が嬉しくて。

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