スピン☆オフ
尚吾君といつの間にか、関係を持つようになってた。


秀一は、それに対しては何も言わなかった。


私の辛さを分かっていたのだと思う。


私は、不安や寂しさを尚吾君との体で埋めていた。



……だって、普通の人が借金抱えた風俗嬢なんか、相手にしてくれないから。



私は、その関係に溺れていった。


それが、半年近く続いた----。


たまたま客で来たじいさんが、愛人にならないかって誘ってきたの。


そのじいさんは、不動産でお金を持っているらしく、親類は財産狙いしかいなくて、全部使い果たしたいって。


初めは信じられなかった。


だけど、このマンションを2回目に会った時にくれて。


私は、借金の事も話した。


そしたら、あきらめると思ったから。


なのに、ふたつ返事ですぐに支払ってくれるって。


3億もの大金を、簡単に払ってくれるなんて思いも寄らなかった。


私は、一生を3億で買われたのよ。


借金はチャラになったけど、私は風俗嬢からじいさんの愛人になっただけ。


それが、悲劇を招くとは思いもしなかった。


愛人生活中にも、尚吾君とは隠れてこそこそと付き合ってはいた。


だって、やっぱり普通の恋愛したかったし。


尚吾君といると安心できた…。


だけど尚吾君との関係が、1年経った時だった。


「どういう事なんだよ!!!!!」


その日、会えないって言ったはずなのに、尚吾君は血相を変えてやってきた。



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