スピン☆オフ
お姉さんに聞いた尚吾の過去。


あたしに、何かを芽生えさせようとしていた。


だけど、臆病な気持ちが素直になれずにいた。


友達以上恋人未満。


その言葉が、しっくりくる。


尚吾は、相変わらずだから、どう思ってるのかは分からない。


「今日、秀達とGに行くけど、唯はどうする?」


尚吾が抱きついて聞いてくる。


「んぁ~。暇だし、行こうかな?たまには、いい男でも漁りに。」


ダルそうに冗談を飛ばす。


「なんだよ!?いい男でも漁りにって。」


眉間に深いシワを寄せて、ジッとあたしの横顔を見た。


「ほら、毎日ラーメン食べてると、たまにはカツ丼食べたくなるじゃん?」


尚吾をかまうのが面白くて、ついイジメてしまう。


「オレ食われてねぇじゃん!!」


ムキになってる。


「いい男は、見てるだけでお腹いっぱいだから。」


猫なで声であたしがかまう。


ニカッとテレ笑いすると、あたしの肩を抱いて『G』に向かった。


その日、秀や尚吾や亮太、遅れて丘芹とNewフェイスの晶がやってきた。


晶は、いつも寂しそうに1人でゲーセンにいて。


あまりにも可愛い顔してるから、『G』にでもいれば客寄せになると思って声をかけた。


なのに尚吾は、怒りのオーラを放ってて。


「唯~!!!!!浮気だぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」


訳の分らない事を絶叫してた。


「これで女の子の数が増えたら、毎日ハッピーじゃん?!」


亮太と丘芹が浮かれてて。


「なんだ。亮太達のためか。」


すぐにご機嫌になってた。


やっぱり単純だった…。


それで、晶もいつも一緒にいるようになった。



チャッチャ~

チャチャッチャ~



お姉さんからメールだった。

< 236 / 298 >

この作品をシェア

pagetop