スピン☆オフ
みんなが、一斉にあたしに注目。


「どうしたんですか?」


晶の不安そうな顔。


「尚吾ってば、人の胸触るんだもん!!」


勢い良く答える。


「触ったんじゃない。揉んだんだ!!」


胸を張って言い切る。


「なに、偉そうに言ってるんだか?!」


フイッと、携帯を持ってフロアに出て行った。


フロアに出ると、カウンターに飲み物を取りに行こうとした。


「ん…??」


思わず声を出して、ビックリしながらDJブースを激見した。


だって、『G』には似つかわしくない格好の女の子が、1人でポツンと立っていた。


ピンクのフリフリで、ウサギ耳のフードを被ってる。


ロリータじゃん?!


そんなコが、なんでこんな所に??


見た目は、高校生くらい。


そ~っと、その女の子に近づいて行って、近くで様子を見ようと思った。


だけど、近づいてすぐに、こんな女の子がここにいる理由が分った。


女の子の隣に行くと、その横を、普通の男の人が通りかかった。


「ねぇ、今日はどっち?」


今日はどっち?


…意味が分からない。


「あ…っと。探してる娘がいるんだ。」


「なんだ、そっちかぁ。その子ってオキニ?」


完全に暗号だ。



「いや。ちょっと人から聞いて。」


「なんだ♪だったらミュウと遊ぼう。」


男の腕にしがみつき腕を引っ張って、フロア奥の部屋の中に入った。


呆気に取られて見てた。


2時間もすると、女の子は男と一緒に出てきた。


あたしは、ダッシュで女の子に駆け寄ると、女の子の肩を叩いた。


「…あっ??」


女の子は、ビックリして振り返った。


この女の子、近くで見ると、またビックリ。


身長は、あたしと変わらない。


このコを一言で言うなら、顔や格好はロリータファッションの深田恭子。


体は、グラビアアイドル級。


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