スピン☆オフ
「セックスです。」


衝撃的な発言。

しいかも、真顔で答えてるし…。


12歳が、セックスなんて!!


いや、マズイだろう…。


心の中は驚きながらも、顔は平常。


「なんで、こんな所にいるのかな?」


「あたし、セックスしてないと、自分じゃいられないんです。」


にっこり笑って答えた。


笑顔にボーゼンとなる。


とても、12歳の発言とは思えない。


頭の中に、なにか引っかかる物があった。


…あれ?


確か、そんな話を病院の精神科で聞いたような。


「それってさぁ、嫌なことや忘れたいこととか、淋しいとかない?しかも、それを埋めたくてエッチするけど、やった後のほうが後悔して。その繰り返しでしょ?」


「なんで、分かるんですか?」


目を丸くしてる。


やっぱり…。


このコ、《セックス依存症》だ。


前に精神科の、ナースステーションで聞いたことある。


病気って自覚なくて大変なんだよね。


「ちょっとね。」


「ふ~ん。」


気にも留めていない様子。


「ごめんね。時間取らせちゃって。」


「大丈夫です。」


そのまま、あたし達は部屋を出て行った。


あたしは、頭の中がグチャグチャで。


12歳で、セックス依存症だなんて…。


このコは、どんな事があったのか?


聞くのも気が引けちゃった。


そのまま、尚吾達の所に戻ると、部屋には尚吾しかいなくなってた。


「あれ?みんなは?」


「秀と晶は、女とホテル。亮太と丘芹は、女漁りに出かけた。」


「そっか…。」


ソファの尚吾の隣に座ると、置いてあったクッションを抱えて、ミュウの事を考えていた。


まだ12歳なのに、何を背負い込んでいるんだろう?

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