スピン☆オフ
「ねぇ、セックスすると、そんなに何でも忘れられるの?」


ボーッとしながら、尚吾に聞いた。


「それって、オレに何かを忘れさせて欲しいわけ?」


珍しく、カッコイイモードで、顔を覗き込んできた。


「そうじゃないけど…。」


ボーッとしたあたしを抱き寄せると、優しくキスをしてきた。


一瞬ビックリしたけど、ナゼか今日は体が動かない。


ソファに倒れこみ、尚吾の唇の感触、手の動き、肌の温度。


全部、素直に受け入れられる。


なんでだか、自分でも不思議なくらい。


嫌だとか、抵抗したいって気持ちなんかなくて。


今日のあたし変だ…。


急に、ピタッと尚吾の動きが止まった。


「なんか、抵抗されないと怖いな。」


「えっ!?尚吾って、そういう性癖あるの?」


眉間にシワを寄せながら、尚吾の顔を見た。


「違うって。いつもなら、抵抗するから。罰ゲームで、ハメられてるみたい…。」


複雑な表情。


「今日は、尚吾の全てが欲しいと思っただけ。」


甘えた口調で、首に腕をまわす。


「…そっか。」


照れ笑いしながら、また優しくキスをしてきた。


…唇に。


…首に。


…鎖骨に。


指先1つ1つが溶けるように疼いて痺れていく感覚。


「そこは…ダメッ…!!」


内腿に走る電流。


「どうして?」


意地悪そうな顔をして、笑ってる。


「くすぐったいの。」


「かわいいから、ダメッ。」


再び内腿に唇が当たる。


カプッ…。


「あっ……あつ……。」


甘い電流じゃない。


ビリッと、太股から頭に電流が走った。

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