スピン☆オフ
どうしてだか、自分でも分からない。


この場にいたくなくて。


この光景から、目を逸らしたかった。


「ごめん。冗談だよ。」


そう言って、抱きしめてくれる尚吾。


「ウザイ!!!」


ドンッ!!!


突き飛ばした。


何でだろう?


尚吾が許せなくなってる。


尚吾にとっては、いつもの事かもしれない。


だけど、あたしの中で何かがウネウネしてて、素直になれない。


あたしは黙って、奥の部屋に行こうとした。


「えっと…。ミュウちゃんだっけ?一緒にお茶しますか?」


尚吾が、優しく手を取ってミュウを連れてきた。


何でだろう?


イライラが増してくる。


部屋に入ってソファに座ると、尚吾が冷蔵庫からコーラを3本出してきた。


テーブルの上に置くと、あたしの隣に座った。


「ところで、ミュウちゃんいつからGに来てるの?」


優しく尚吾が聞いた。


「1年位前から。」


「そんなに前から?!」


ビックリするしかないあたし。


だって、こんな所に11歳で、出入りしてたってことでしょ?


「どうして?」


身を乗り出して、あたしは聞いた。


「…。」


うつむいて、しばらく考え込むとポツリポツリと、つぶやくように話し始めた。


それは、ミュウがここに来るまでの壮絶な話だった。

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