スピン☆オフ
それは、ミュウの部屋のドアを壊す音。


男達の笑い声と、ドアを金属バットで壊す音。


ミュウはクローゼットに隠れ、震える体を抑え泣き声を押し殺し、ただひたすら恐怖に耐えてた。


ドアが、ガタンといって外れた瞬間、クローゼットの扉が開き


「み~つけた。」


ニヤケた男が立っていた。


そのまま腕をつかまれ、ズルズルとクローゼットから引きずり出された。


恐怖のあまり、抵抗すら出来ない。


泣き声も出ないくらいの恐怖。


男達に囲まれ、手足を押さえられ容赦なく服は破り捨てられてく。


4人の男に囲まれて、10歳の少女が敵うはずがない。


もう、それ以上の記憶がなくて。


ただ、その時に写真とビデオを撮られてた。


その後も、たびたび男達は来ていた。


その度に、写真やビデオをばら撒くと脅されて関係が続いた。


こんな写真をばら撒かれたら、ミュウの支えだった友達や周りの大人はいなくなってしまう。



どんなに真実を言っても、信じてもらえない。


あの親にして、子供もやっぱりね…。


そう言われるのが分ってたから。


何回目だったろうか?


一人の男が、ヤルなら楽しくならなきゃと薬を飲ませた。


それが後に麻薬と分かったが、その時の快感は凄まじかった。


全てが吹き飛び、気持いいを通り越し快楽と言う言葉の方がふさわしいくらい。


そこから歯車が狂った。


どれくらい、その男達との関係が続いたか分からない。


気付いたら、セックス≠全てを忘れられる。


現実から逃れたくて、あの快楽を求めたくて。


友達の彼氏や母親の連れ込んだ男。


手当たり次第。


だけど、終わってしまうと虚しくて、その虚しさを埋めるために、またセックスを繰り返す。

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