スピン☆オフ
「早起きだな唯は…。」


眠そうな顔をした、上半身裸の尚吾が立ってる。


なんで、お姉さんの部屋から出てきたわけ?


しかも、なぜ上半身裸なの??


もう、推理できることはひとつしかなかった。


バタンッ!!!!!!!!!!


勢いよく冷蔵庫のドアを閉めると、無言で家を出て行った。


だって、あの尚吾が一晩中一緒の部屋にいて、何も無いわけないし…。


それに、裸でいたんだから。


やっぱり、誰とでもヤレるんじゃん。


…最低だよ。


悔しさのような、悲しさがこみ上げてきた。


いつものビルに行くと、珍しく誰もいなかった…。


朝も早いし当然か。


ソファに座り膝を抱えてうずくまっていた。


考えてる事は、尚吾の事。


別に、付き合ってるわけじゃないし。


浮気でもなんでもないのに…。


それなのに、お姉さんが言ったようにヤキモチ妬いてる自分。


好きだなんて認めたくない感情が押しつぶして、余計にイライラする。


こんなに考えちゃうのに。


こんなに苦しいのに…。



それでも、認めたくはない----。


せめて、尚吾が誰かと付き合ってしまえば、諦められるんじゃないかな?


どんなに辛くても、前に進める気がする。


携帯を手に取ると、何故かミュウに電話した。


♪♪~♪♪♪~♪

♪~♪♪♪♪~♪♪


「…もしもし。」


寝ぼけた声のミュウ。

< 256 / 298 >

この作品をシェア

pagetop