スピン☆オフ
「ごめんね。ちょっと、聞きたいことがあってさ…。」


「何ですか?」


「ねえ、ミュウって尚吾の事が好き?」


あたしってば、何を聞いてんだろう?


「なっ!!何をいきなり聞くんですか???」


慌てるその声は、電話の向こうで赤面してるのが伝わるくらい。


「だったら、尚吾と付き合ってみない?」


心にもないことが、次々に口から出てくる。


「…でも、そんな…ミュウなんかが…。」


「大丈夫!!あたしに任せて。」


弾むような声で言った。


「本当に、ミュウなんかでいいんですか?」


「うん!!!じゃあ、今夜『G』でね。」


電話を切ると、一人深い絶望感に襲われた。


心とは裏腹な自分。


泣きたくて叫びたいのに、体が勝手に動いてしまう。


考えれば考えるほど、自分が嫌いになって。



辛くて…。

現実から逃げたくて…。



だけど、あたしの居場所はここしかなくて。


この居場所をなくしたくない。


ずっと、自分の鬱な気持がループしてる。


ソファにうずくまりながら、ただ時間が過ぎていくのを待っていた。





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