スピン☆オフ
ナクシタヒト
秀が凄く心配してくれていた。
だけど、忘れかけたはずの霧生への気持ちを消化したくて。
ひとり呆然と帰った。
-----家の玄関を開けると、ダダダダっと、ものすごい勢いで、慌てた顔のお姉さんが走って迎えてくれた。
「やっぱり、尚吾君と喧嘩しちゃったのね?」
落胆しながら言った。
「…なにがですか?」
何で尚吾の話が出てくるのか?
秀から何か聞いたのか?
不思議に思って…。
「昨日、酔い潰れたじゃない?
尚吾君が部屋に連れていってくれようとしたんだけど、私起き上がったとき転んじゃって、尚吾君のシャツ破いちゃったの。
それで、着られなくなっちゃったんだけど。朝、裸でいたから唯ちゃんに誤解させちゃったと思って。」
落ち込んで話すお姉さん。
「そうだったんですか。」
肩の力が抜けた感じ。
尚吾とお姉さんが何もなかった…。
誰とでもヤレるわけじゃないんだ。
どこか安心している自分がいた。
それなのに、今は霧生が死んだショックの方が大きくて。
素直に喜べない。
「大丈夫です。あたし、尚吾と喧嘩したわけじゃないですから…。」
淡々と話す。
「本当に?…でも、目が腫れてるし…。」
「……今日、秀から聞いたんです。………あたしにっとて、凄く大事だった人が亡くなったって…。」
思い出しただけで、涙が溢れてきた。
だけど、忘れかけたはずの霧生への気持ちを消化したくて。
ひとり呆然と帰った。
-----家の玄関を開けると、ダダダダっと、ものすごい勢いで、慌てた顔のお姉さんが走って迎えてくれた。
「やっぱり、尚吾君と喧嘩しちゃったのね?」
落胆しながら言った。
「…なにがですか?」
何で尚吾の話が出てくるのか?
秀から何か聞いたのか?
不思議に思って…。
「昨日、酔い潰れたじゃない?
尚吾君が部屋に連れていってくれようとしたんだけど、私起き上がったとき転んじゃって、尚吾君のシャツ破いちゃったの。
それで、着られなくなっちゃったんだけど。朝、裸でいたから唯ちゃんに誤解させちゃったと思って。」
落ち込んで話すお姉さん。
「そうだったんですか。」
肩の力が抜けた感じ。
尚吾とお姉さんが何もなかった…。
誰とでもヤレるわけじゃないんだ。
どこか安心している自分がいた。
それなのに、今は霧生が死んだショックの方が大きくて。
素直に喜べない。
「大丈夫です。あたし、尚吾と喧嘩したわけじゃないですから…。」
淡々と話す。
「本当に?…でも、目が腫れてるし…。」
「……今日、秀から聞いたんです。………あたしにっとて、凄く大事だった人が亡くなったって…。」
思い出しただけで、涙が溢れてきた。