スピン☆オフ
確かに、あたしは尚吾を好きになるのに歯止めをかけてるだけで。


もう、これ以上傷つきたくなくて…。


大事な人を失う悲しみを味わいたくなくて。


ガタッ!!!


勢いよくお姉さんは立ち上がると、あたしの隣に座って。


ギュッと力強く肩を掴んだ。


「絶対にダメ!!唯ちゃんと尚吾君は、一緒にいなきゃいけないの。他の子となんて、絶対にくっついちゃダメなの!!」


今までに見たこともない怖い形相で大声をあげた。


「…………お…お姉さん?」


ビックリして、言葉がうまく出ない。


「ごめんなさい。」


ハッと我に返った。


「…う…うん…。」


お姉さんの剣幕に、まだ驚きが納まらない。


「なんだか、昔の自分を見てるみたいで…。唯ちゃんには、同じように後悔してほしくなくて…。」


そう言ながら、あたしの手を握った。


「ありがとう。お姉さん。」


いつの間にか、笑顔になってた。


お姉さんも、ニッコリと笑ってくれた。


「そうだ!!今から尚吾君呼ぶから、ちゃんと話しなさい。」


立ち上がって、部屋から携帯で電話しながら戻ってきた。


「別に…あたしは話とかないし…。」


「ダメダメ!!そんなんだから、いつまで経ってもアヤフヤなままなのよ。」


「でも…。」


----戸惑うあたし。

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