スピン☆オフ
「本当よ。」


リビングの中から、お姉さんが言った。


「どうしてですか?!」


「どうしてって…。あなたがいれば、尚吾君はそばにいてくれるし。なのに、他の子とくっついたら、あなたの価値なんてないじゃない。」


サラッと言い放つ。


「用済みって事ですか?」


「そうよ。」


「じゃあ、今までのは?」


「話したことはホント。だけど、あなたの向こうに尚吾君を見ていたから優しくしただけ。」


確かに、今考えればおかしいところはあった。


急に尚吾が変だったり。


鍵がかかってるはずの玄関を、鍵をなしで入れたり。


尚吾に、鍵を渡してたってことなんだ。


秀が言ってたのは、これを隠すためのおかしな行動。


だから、他の子とくっつくなんて話したら、あんなに怒ったんだ。


「じゃあ、尚吾とは何もなかったって言うのは?」


「あるわけねぇだろ?だいたい、コイツは姉貴なんかじゃねぇし。」


「えっ!?だって、秀のお姉さんじゃないの?」




---それも、嘘なの?

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