スピン☆オフ
「あら、若いんだモノ。やりたい年頃なんだから、仕方ないんじゃない?」


上から目線でチクリ。


「だからって、本能のおもむくままなんて最っっ低!!」


クルッと後ろを振り向き、足早にその場を去ろうとした。



----グイッ!!!!



力強く腕を引っ張られる。


一瞬の出来事で、何が起きたのか分らない。


強く抱きしめられると、呼吸もさせてくれないかのような激しいキス。


激しく尚吾の舌が絡まってくる。


「……う……んぁ…。」


甘くて小さな声が、あたしの口から漏れる。


温かく柔らかい唇が…。


顔が…。

体が…。


熱を帯びて熱くなっていく。


ビリビリッ!!


唇から腰にかけて、一気に電流のように甘い痺れが走り抜ける。


その電流が、腰で溜まって渦を巻いて足に力が入らなくなる。


尚吾の強い腕に支えられていなければ、立っていられない。


抵抗しようとする腕さえ、力が抜けていく。


頭の中が無色になっちゃう。


「もう、絶対はなさねぇ。」


体中が暑くてドキドキしすぎて…。


朦朧とするあたしの耳に、力強い尚吾の声が聞こえた。

< 283 / 298 >

この作品をシェア

pagetop