スピン☆オフ
「半分は愛情で出来てるんだよ。」


相変わらず臭い台詞を、恥かしげもなく言えるものだ。


「半分だけ?」


イジワルしようと、冷たく言った。


「もう半分は、ケーキの材料だよ。」


泣きそうな顔で答える。


「ふ~ん…。なんか、毒とか入ってそう。」


冷めた目線でケーキを見た。


「惚れ薬くらいかな。」


冗談言って笑ってる。


「絶対!!!食べないし。」


プイッとそっぽを向いて、腕を組みながらソファにもたれた。


「そっか、オレの事好きだから、惚れ薬もいらないか…。」


バクバクと、1人でケーキを食べ始めた。


「ちょっと、誰が尚吾が好きだって言った?」


慌てるあたし。


「……う~ん。姉ちゃん家で。」


口の周りに、クリームをいっぱいつけてる。


その顔がかわいくて。


ズキュウ~ン!!!


またハートを打ち抜かれる。


「………姉ちゃん家って。」


見とれて上の空。


「姉ちゃんが好きって言ったら、唯があたしだって好きだもんて言ったじゃん?」


…………?????


「あぁ~!!!!!!!!!」


ハッと我に返った。


そういえば、そんな事を勢いづいて言ってしまった記憶が…。


「もしかして、忘れてた?」


「それは、その場の空気って言うか…流れって言うか…。」


焦りながら、一生懸命弁明する。


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