スピン☆オフ
「何のこと?」


イチか?バチか?


トボケてみる。


「よく小児科にも行ってるって、ナースが話してたから。霧生くん狙いなのかと思って。」


そっちに勘違い?!


…ちょっと安心。


ナース達の噂になってるとは。


もっと気をつけて霧生に報告しなきゃ。


これ以上,
噂が広がったら、霧生の復縁作戦どころか、霧生がクビになっちゃうよ。


「霧生くん狙いなら、外科に来る意味ないでしょ?」



バクン…

バクン…



相変わらず心臓だけは動揺しっぱなし。


「私が霧生くんの幼なじみって、知ってるんでしょ?」


「幼なじみってか、元カノでしょ?!」


ポロッと口から出てしまった。


「やっぱり。霧生くんが好きだったんだ。」


「ちっ…違います!!」


慌てて訂正しても、冬槻の顔は笑ってる。


「いいんじゃない?霧生くん子供好きだし。」


「子供って…。あたし中学2年生ですけど。」


「あら、立派に子供よ?」


なんか、思いっきり上から目線がムカつく。


「もしかして、ヤキモチですか?霧生くんが中学生に取られちゃうから。」


カマをかけつつ嫌味をチクリ。


冬槻はフッと鼻で笑うと


「残念。それは…ないかな。」


急に寂しそうな目になった。

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